ベンネビス(Ben Nevis)に登る

2001年8月4日



BenNevisは英国で最も高い山(1355m)である。海抜0mの港町フォートウィリアムの背後に聳えており、山頂まではそこから歩くことになり、けっこうな登りである。日本で言えば富士山のような存在で,登山者も多く、他の山ではないような「登山者対策」が行われていた。これは、「自己責任の国」イギリスでは、異例なことのように感じられる。
 まず、フォートウィリアムのi(ツーリストインフォメーション)には、「ベンネビス登山の注意」というコーナーがあり、また、ベンネビス登山のパンフレットも販売されている(30p)。また、宿で「ベンネビスに登る」というと、装備や行程のチェックリストを渡され、記入することが求められる。(これは下山確認まで保存され、もし下山しない時には警察の登山センターに届けることになっているようだ)これまで登った他の山々と違って、これほどまでにきめこまかにしているのは、この山での入山者の多さとこれまで起こった遭難の多さの影響のようだ。それに、のちに述べるが、この山の天候の変化の速さは,準備無き登山による遭難を引き起こしているのだろう。
 さて、登山の方は、次のようである。8月4日(土)の朝、 スコッティッシュブレックファーストの朝食をすませ、フォートウィリアムのハイストリートにあるWest End Hotelを出たのが8:25、昨日までの天候と打って変わって、晴れて気持ちのよい天気だった。登山口のAchinteへの1時間足らずのうちに雨が降り始め、Achinteに着く頃には、ひどい雨で、雨具を出し上下を着るほどであった。登山口にはINNがあり、 そこに車が停まっている。9:15羊用の柵を乗り越え歩きはじめる。放牧場の道だ。まるで10月の雨の中を歩いているようだ。
20分で、YHからの道に合流。さらに山腹を捲くように登り続ける。アルミでできた橋を2つ越える。このころから雨が止み、雨具がうっとうしくなる10:30にコルに出る。Meall an t-SuidheとベンネビスのコルでLoch Meall an t-Suidheという池もある。
天気はまた悪くなる。ベンネビスの山頂部は雲の中にある。ここから左に行き、周回コースでCarn Mor Deargを経て、ベンネビス山頂に行くことも考えたが、この天気なので止めにして、直接山頂への斜面をジグザグにつけられた石ころだらけの広い道を登る。英国の山には、導標は無いものと思っていたが、このベンネビスでは、コルの下に1個所見つけた。
これも、「国民的な山」の所以か?列をなして登山者が続いている。途中、705m地点、1150m地点で休憩し12:40に広い山頂の一角の三角点に着く。
登山口より3時間半、フォートウィリアムを出て4時間余りであった。
山頂には、建物の跡の石組みがあり、また、他の山とおなじ三角点標識の柱があり、そして方向表示板ははがされて石組みだけになっていた。そこに多くの登山者が食事を取ったり写真を撮ったりしてにぎやかだ。天気も霧の中であるが風はなく雨具を脱ぎ、湯を沸かしてカップラーメンを作る。食事を終えた1:00ころ突然、霰が降ってくる。大急ぎで雨具を着、下山にかかる。何という天気だろう。
ジグザグの道をひたすら下り、途中のコルが2:05。ここで、周回ルートへの道を少し歩いてみる。ぬかるみの小川の悪路である。これがスコットランドの普通の道で、ベンネビスの道は、整いすぎている。再び戻って、さらに下ってゆく。天気は良くなり、初めて夏を意識する。登山口へ3:00。
BenNevis そこにあるINN、BEN NEVISでビールを一杯飲んで、物足りないが、登頂を祝う。そこから40分、川に沿って町までの道を歩き、フォートウィリアムに戻った。
翌日は、英国で一番美しい谷といわれるグレンコー(GlenCou)で登山とも思ったが、ここは、CityLinkのバスから見物し、Killinの町へと移動する。A85添いのLix tollから、KillinへのPOST BUSは、日曜は運休だといわれ、2マイルの道をKillinまで歩く。ようやく着いて、iで紹介されたのが,1泊26£の宿 FairView House であった。

登山記録へのリンク

ベンマクドゥイ(Ben Macdui)に登る
ロッホナガール(Loch Nagar)に登る
ケルンゴルム(Carn Gorm)に登る
ベンネヴィス(Ben Navis)に登る
ベンロワーズ(Ben Lawers)に登る
ベンローモンド(Ben Lomond)に登る
スコットランドの山に登る

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