2001年7月29日(日)
ロホナガールに行く予定であったが、日曜日で、一番のバスが運休のため、急遽変更し、ベンマクドゥイに向かう。
リンオブディーに行く交通機関がないため、8:25にマウンテンバイクを借りる。一日15ポンド。
ブレマーの町を後にし、9:10にLinn of Deeにつく。ここで舗装道路は終わる。左のデリーロッジへの道に入る。未舗装だが車が通れる広さの道である。といっても、一般の人は歩いている。
9:40にデリーロッジ。自転車を置き、川を渡る橋をロッジの手前で見つける。ところがこれは、農家に行く道で、川を渡れなくなり引き返す。ロッジを過ぎたところに小さな橋がかかりこの橋の向こうに標識がある。道をたどりGlen Luibegを進む。右の、Carn Cromが姿を変えて行く。まっすぐ行くと、ラーリッヒグリューを経てAvemoreアヴィモアに行く道だが、今日はLeibeg Buinを詰めて、ベンマクドゥイに取りつく道である。右への分岐があるはずだが、見つからずとうとう、Luibeg橋へ来てしまう。数多くいたハイカーたちはみんなこの橋を渡りラーリッヒグリューに向かってしまう。仕方がないので、斜面を登り、本来の道と合流する地点を探す。斜面全体が湿地でズブズブと靴がはまってしまう所ばかりである。踏み跡らしきものを見つけるがすぐに途切れ、また歩いていると踏み跡に出会うということを繰り返しているうちに、針金でできた柵にぶつかる。川のほうは通れないので、柵を乗り越えて進む。そうしているうちに本来の道にであったようだ。本来の道は、川からかなり離れていたようだ。沢の分岐点まできて、正面に広い大きな尾根が見え、取りつく。
11:50ここで昼食。見わたす限り人の姿はない。天気は雲が多いが、悪くない。昼食後、この尾根、SronRiachを登り始める。道はしっかりとついて標高920mまでくると、草地から石だらけの斜面になる。地図ではこのあたりから道がなくなっている。尾根を越えるあたりから、風が出てくる。尾根を詰めたところに大きな岩があり、越えると雷鳥が4羽いた。
1:05ケルンのところで休む。(スコットランドの地名Cairnは石の積まれたものを表すゲール語のようだ)さらに進むと、右側に崖が見える。広大な斜面を所々にある踏み跡を辿りながら登っていくと、1時間ほどで平らな山頂の一角に出る。風がさらに強くなっている。このあたりは地図には道が載っていない。左の斜面に人が見える。とにかく広い。左にゆるやかに高くなっている。途中、細い流れを通過。
1:55やっと山頂に到着。山頂には、三角点を示す標識と方向指示板(山の展望図)の2つしかない。方向指示板の中にBenMacduiと書いているだけで、何もない。そういえば、登ってくる途中、デリーロッジの橋に道標があっただけで、ほかにはまったく見かけなかった。
人が10人ほどいる。5人パーティーはラーリッヒグリューの谷のほうから登ってきた。地図には載ってないが、あちらに道があるようだ。(今辿ってきた南からの道も載っていないが)。強風のため、石を積み上げたシェルターのようなところで、風を避ける。気温12度、気圧867hp。雲は高くラーリッヒグリューの谷を隔てたブレーリーアッハ、ケールントゥールなどの山頂が見える。とにかく、英国で第2の高さの山なのだから見晴らしがよい。
強風の中、15分ほどの滞在の後下山。南の道は、はっきりしなかったのに比べ、ケルンが次々と積んであり、はっきりした道だ。風は相変わらず強い。左にラーリッヒグリューが見えている。実は、違う道を辿っているのだが、それに気がつくのはまだしばらくしてのことである。地図は風に吹き飛ばされそうなので、ザックにしまいこんだ。手元には、100・・・の概念図しかない。しばらく行くと池があり、そこで右に曲がるはずだ。進んでいくと、確かに小さな池があり、そこで、道が左右に分かれている。右の道を通る。ただし池の位置は図と違っている。さらに下ると、別な大きな湖に出た。進む方向を間違えたみたいだ。位置を確認するためにそこにいた人に、デリー谷はあれか?と聞くと、違うという。山頂から北側に延びる道をCarnGormの近くまで来ていたことに気がついた。時に3:40.1時間半近くも間違った方向に下りてしまった!
引き返すしか道はない。なぜこうなったかは、後述するが、とにかく戻るしかない。幸い、急な下りがなかったこと、暗くなるまでの時間が充分にあるので引き返す。4:12に池、4:50に頂上。
ここで東に進む道を見つけ、地図で確認し、道をたどる。5:37にLochEtchachan(湖)に着く。大きな湖だ。地図の通り、右に道を取り、ここからGlenDerryの長い下り。
6:05CoireEtchachanの橋を過ぎ、7:35にDerryLodgeデリーロッジに、ここで15分休んでから、マウンテンバイクに乗り出発、10分でLinnofDee、8:40ブレマーのホテルに着いた。ホテルのバーでビールを飲む。つかれた、うまい。
風呂に入り、外食する気力もなく、カップラーメン+ワインでバタン。よく眠った。充実した12時間行動だった。
なぜ路を間違えたか?
1.Scotlandの山には、「基本的に一切」道標がない。路の途中はもとより山頂からの下山道の道標も一切ない。
2.強風で、地図を出すのが大変であった。
3.地図には、北へ降りる道と東へ降りる道の2本しか載っていない。下山道の大まかなつかみ方は「東へ少し、その後北東へ進む」ところが、実際に歩いたのは、「北東へ少し、その後北へ進む」コンパスを出して確認しなかったことと、先行する登山者が一人、北西方向に降りていった。これを、北に下りるルートと錯覚した。
4.途中では「おかしい」現象はいくつもあった。「池」が小さい、進行方向の右側にある、ラーリッヒグリューが見える、等々にもかかわらずその時点で対応せず、1:30も降りてしまった。
5.イギリスの地図OSの道(Path)の記載は、きわめて読みにくい。BenMacdui頂上からは、緑の実線が2本北と北東に出ているがこれは道ではなく、境界線。道(PATH)は、細い鎖線で、植生の草地の記号と紛らわしい。これで惑わされてしまった。
6.これまで道のない南側から登ってきたので、立派な道に惑わされてしまった。BenMacduiの主要な登山道は、北側のAviemoreからのものが主要なものであることを知らなかった。
その後の対応
1.日が長いことが有利になった。(10時ころまで明るい!)
2.地形が平らなので登り下りの時間差があまりない。
3.まだ体力に余裕があった。
4.天気がよく、見通しはきいた。
登山記録へのリンク
ベンマクドゥイ(Ben Macdui)に登る |
ロッホナガール(Loch Nagar)に登る |
ケルンゴルム(Carn Gorm)に登る |
ベンネヴィス(Ben Navis)に登る |
ベンロワーズ(Ben Lawers)に登る |
ベンローモンド(Ben Lomond)に登る |
スコットランドの山に登る |
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