3月18日(日)


DAY72
シンガポール上陸第1日

≪国立博物館に見るシンガポールの歴史≫

 6時半からウォーキング。日の出前にシンガポールの町の灯りが見える。7時に日の出。歩き終わる7時半頃、工業用の岸壁に接岸。

 日本郵船の貨物船で運ばれた日本の自動車がずらりと並べられている。壮観だ。このところ、円安が進んで1ドル83円くらいになっていて一時76円だった頃から見ると、1ドル7円違っている。車1台1万ドルとして1台当たり7万円。1000台だと7千万、約1億近い差が出る。車の現物を見ると、こういう事も頭をよぎる。

 朝食後、出発。シャトルバスで、クルーズセンターへ。ここから出発のザーンダムという船の乗船手続きと一緒になり、大混雑。人をかけ分けて、鉄道MRTの駅ハーバーフロントへと向かう。

 途中、VIVO-CITYというショッピングモールを通過する。ここで、ATMのありかを聞き、citibankのATMを発見。100S$ を下ろしてMRT の駅へ。有人カウンターに行くと、10$を1$10枚に両替し、「マシンで買え」。チケットマシンとおつきあい。

 ここの鉄道は、シングルまたは往復切符を買う仕組みと、お金を入金しておいて使う都度減らしていくのと2つの仕組みを持っている。使うカードは非接触式のカードだが、異なるカードを使う。シングルまたはリターンのボタンを押し、行き先を地図から選び駅名のボタンを押すと、要求金額が表示される。お金を入れると、カードが出てくる。実は、カード代1$が加算されており、使い終わって、リターンデポジットボタンを押し、券売機に入れると1$戻ってくる仕組み。料金は、『積み立て方式』の方が多少安く設定されている。そのカードを持ち、改札機にタッチ、電車に乗り、出るときまた改札機にタッチ、となる。すべて、非接触式カードで処理する、進んだ方式だ。紙は全く使わない。

 とりあえず、目標はラッフルズプレース駅。駅を出て、方向に惑わされながらも、名所マーライオン公園に到着。ちょうど日曜だと言うこともあり、観光客であふれている。このあたりは『未来都市』を見ているよう。

 次に行ったのは、アジア文明博物館(8$)。ここの展示を見ると、シンガポールが南アジア、東南アジア、東アジア、西アジアの接点になっているのがよくわかる。「Patterns of Trade」という特別展示もあり、絨毯のデザインが広がる様子がわかる。これらの展示を見て『これだけ高度な美術工芸品を作れた民族がなぜ植民地支配されてしまったのだろう』と思う。それは、戦争に次ぐ戦争で発達したヨーロッパの軍事技術に大きく差を開けられた結果だろうが・・。

 改装中の国立美術館を経て、戦争記念公園。日本の侵略による犠牲者を悼む塔である。後に述べる国立博物館の展示もそうだが、決して『終わってしまったこと』にはなっていないよ、日本の国内で思うほど。

 すぐ隣にあるのがラッフルズホテル。トロピカルな雰囲気を建物に表している由緒あるホテル。ここでちょっと買い物。バーで有名なカクテルでも、と思ったが、先が長いのでやめる。

 オーチャードロードに入りひたすら西へ。空腹も覚えたところで、コートフードを見れば、日式拉麺を発見。海鮮ラーメン5$をいただく。

 国立博物館は、シンガポールマネージメント大学(SMU)の向こう側の通りにある堂々とした建物。10$を払い、History Galleryに入る。入口で、端末機をもらい、言語を入力。実はこの端末が、マルチメディア技術の粋を集めた、新しい博物館のガイドなのだ。それぞれの場所での解説を各国語で、また、展示物の番号を入力するとその説明が、そして、必要なところでは翻訳のテロップが流れ、さらに動画も再生する優れものである。

 展示はシンガポールの最も古い時期からの支配者の興亡と人々の生活、ヨーロッパの植民地への歩み、日本の侵略と占領、戦後の独立と今日までの国家創造という多岐にわたり、これが、時間順の道に沿って展示される。

 特に感じたことは、この国は、マレー、ジャワ、中国などの侵略を繰り返し受けつつ形成されてきたこと、イギリス植民地時代については極めて詳細に資料を展示、日本の占領時代の資料も豊富である。これらを次の世代の国民が見れば、決して『遠い昔に終わってしまったこと』ではない。日本占領下の軍事、政治、生活。今の日本のどこにも、これだけの資料を展示したところはないだろう。

 また、独立してからの、この国の指導者の賢明さが、奇跡といっていいような国を熱帯のこの地に作り上げたといえる。印象的だったのは、「エジプトでもテレビ受信機を作っている。この国の勤勉な国民ができないはずがない。我々は、テレビもエアコンも買うのではなく自分たちで作ろう。これが今の子供たちの10年後に仕事を生み出す」という演説。(これもマルチメディアの端末だから聞き取れる)

 もう一つのLiving Galleryの方は、いまいちである。

 出て、オーチャードロードに入りひたすら西へ進む。途中、書店で地図を購入したころ、黒い雲に覆われ、雷鳴とともに大粒の雨が激しく降り出した。熱帯のスコールである。

 鉄道のサマセット駅からハーバーフロント駅に戻り、船に帰る。ちょっとトラブルがあってようで1時間半ほど待たされ、帰船。7時半を過ぎていた。

ダイニングでの食事時間はとっくに終わっていたので、リドレストランで食事。 その後、疲れたのか、10時前に寝てしまう。

34214歩


 

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