3月3日(土)


  DAY57
 終日航海

 ≪オセアニアからアジアへ≫

 ちょうど今回の旅も折り返し点、早いもので、残り半分となった。今日は、オセアニアからアジアへ。国で言うと、オーストラリアからインドネシアへ向かう海の上。

 時計を1時間バックするようにと昨夜の連絡。
 1時間遅らせたのと、西へ1日走っていたので、日の出が1時間半早まり6時すぎ。
 6時10分に歩き始めたときには、すでに日は昇っていた。天気は曇り、風はなく波もない、静かな航海。

 船はアラフラ海の南、オーストラリア寄りを真西に進んでいる。オーストラリアの北の町ダーウィンの近くを航行する。

 実は、今日読み終えた本、「カウラの突撃ラッパ―零戦パイロットはなぜ死んだか」中野不二男、文春文庫「アジア絶版文庫シリーズ」に登場するのが、このダーウィンなのである。この本は、シドニーのKinokuniya書店で、7.50A$(日本での定価590円)で購入した本である。「オーストラリア・カウラの連合軍捕虜収容所で起きた第二次世界大戦史上最大の日本人暴動。先頭に立って突撃ラッパを吹き鳴らしたのは何者か?(以下略、裏表紙より)」をテーマに書かれたノンフィクションである。この中に、大戦初期に、日本軍機がダーウィンを襲撃し、その際被弾した零戦パイロットが不時着したのが、今日我々が通っているメルビル島であった。その零戦のパイロットの行方を求め、日本軍人捕虜たちの行った「カウラ出撃」という暴動について書かれた本である。初版は1984年なので、かなり昔の本だが、迫力のある本であった。歴史の時間に地図を見て知ってはいたが、改めて、日本軍はこんなところまで来て戦争をしていたのか、という驚きを新たにした。もっとも、昨日通過した木曜島には、その前から日本人の真珠貝採取の出稼ぎ労働者がいたというから、全く無縁の土地ではないが。

 さらに、ダーウィンは、映画「オーストラリア」の舞台でもある。オーストラリアの「大陸縦断鉄道」の終点でもあり、いずれ訪れてみたい土地である。

 アラフラ海というと、子供のころみた月光仮面だったかで、「アラフラの蛸」とかいう大真珠が登場したので、南の海らしいのをかすかに記憶しているが、全く無縁の場所であった。静かな海を船は進んでいる。ただし天気はよくない。外に出ると、蒸し暑さとともに時折雨が降っている。

 船はもう1日進み、インドネシアのコモド島に着く。ここはもはやオセアニアではなく、アジアの一角である。北アメリカを出航し、南アメリカ、南極、オセアニアを経て、ようやくアジアに達した、と思えば、2ヶ月の長さを感じたりもする。

 昼食は、日本人乗客の女性たち(LAと板橋の姉妹の他に、アメリカ在住50年のKEIKOさんという方)と取った。(あと中国の陳さん夫婦)

 その後、ラウンジで開かれた、Exploration Speaker Seriesという名の講演会で、NASAの研究者であるGreg Ojakangas氏のFrom Saturn to Indonesia: Volcanoes of Ice and Fire という講演を聴いた。インドネシアの火山にまつわる話と惑星探査機の観測成果として、木星、土星や天王星の衛星の「氷の火山」の話であった(もちろん英語)。この催しは、いろいろなテーマで毎日のように行われている。

 夕食の時間、今日の夕食は、参考までに写真をお見せする。前菜は、tuna sashimiと書いていたが、マグロのたたき、蕎麦と野菜が付いていた。たたきはまあまあだが、蕎麦はだめ、うまい蕎麦を食べたい!スープは、蟹の入ったチャウダー、それに、ドーバーソールのムニエル、最後にフルーツとコーヒー。 毎日のようにこんな感じなので、ラーメンを食べたいの、蕎麦を食べたいのとか考える庶民派の私としてはどうも居心地がよろしくないのだが、30数年働いたご褒美、人生最後の、豪華食事付き100泊の旅、と割り切って、あと50日余やっていこうと思っている。ただし、体重増には要注意!である。

13279歩 <<拡大した写真は後日UPします。>>
 

0303-1_s.jpg) 0303-2_s.jpg) 0303-3_s.jpg) 0303-4_s.jpg)
0303-5_s.jpg) 0303-6_s.jpg) 0303-7_s.jpg) 0303-8_s.jpg)