蔵王のうた学生の頃、仙台で、「蔵王のうた」というのを聞いたことがあります。その山懐に暮らすことになり、改めて思い出しました。 歌詞は次のようになっています。 蔵王のうた 【作詞】刈田 仁 【作曲】白鳥 音羽 我ら歌(うと)う みちのくに 奇(く)しき山あり 真(げ)に山の王者蔵王 ああ 燃ゆる火を胸にいだきて ああ 地に黙す ここに幾年(いくとせ) 熱き想いの 胸に激しく 耐えてゆくもの この山に 我ら夢あり 我ら歌う みちのくに 愛(は)しき山あり 忘れじの山よ蔵王 ああ 国分けて陸羽の空に ああ 別れ咲く 二つのうれい 若きいのちの 胸に激しく 深ければこそ この山に 我ら歌あり 我ら歌う みちのくに 蔵王の嶺の 白銀の華よ樹氷 ああ 人の世の聖(きよ)き界(くに)とぞ ああ 若人の 泣きて慕いし 樹氷の山の 胸に激しく われを呼ぶもの この山に 我ら祈らん MIDIの曲も、多数あります。 たとえば、 http://www.utagoekissa.com/utagoe.php?title=zaounouta また、歌と演奏もたくさんあります。たとえば、 http://www.youtube.com/watch?v=LsCPRc59rvc 歌の由来この歌の由来については、ほとんど知りませんでしたが、作詞作曲については、次のような記載を見つけました。(国会図書館レファランスのサイト) 質問(Question) 「蔵王のうた」は「蔵王に唄う」とも言うらしいが,事実はわかるか。また,この唄の作詞者である刈田仁と,作曲者である白鳥音羽が同一人物であるらしいと聞いたが本当だろうか? 回答(Answer) 資料1より,「蔵王に唄う」が詩のタイトルと判明。 同じく,資料1の115ページに「更に驚くべきことに刈田仁は,折柴山人,鳩眠洞主人,刈田芥也等々の別名でも多くの作品を発表しているが,歌謡風のものの作曲者,堤陶介,又は白鳥音羽も実は刈田仁その人であって,作曲にも並々ならぬ天分を持っていた事は誰一人知っていない。蔵王観光バスガイドが歌う『蔵王賛歌』も,刈田仁作詞作曲になるものである。」とあり,同一人物であることがわかる。 資料1: おくれ雁 / 刈田仁 おてんとさんの会, 1973.5【K915/カ13】 回答プロセス(Answering process) (1)人物事典の類 宮城県人物・人材情報リスト2007:なし 宮城県史:14巻,19巻にそれぞれ若干の記述があるが,詳しい人物情報は不明。 (2)本人著作 刈田仁の選集による『おくれ雁』(1973.5,おてんとさんの会)には,氏の作品のほか,詩歴や作品年譜がある。作品には「蔵王の唄」と題する詩篇があり,作品年譜にも「蔵王の唄 昭和33年」とある。 詩歴は,おてんとさんの会代表の天江富弥氏が書いている。 なお,本人著作には,新聞記者時代のルポルタージュなどもあるが,直接童謡や詩,歌とは関係ない内容であった。 (3)その他記事索引 郷土論文で刈田仁を引くと下記資料がある。 富田博. 「おくれ雁」の親雁、刈田仁さん. 童街. 3号. おてんとさんの会, p.p.11-12, 1979.5 これは,刈田氏への追悼文。中に作品名として「蔵王の唄」とある。 http://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000065651 図書館のレファランスもなかなかやるものですね。 トップページへ |