不忘とは


 2013年、宮城蔵王の中腹、遠刈田温泉の外れの林の中に移り住みました。そこで見聞きし、感じることを書き綴ろうかと思います。

 かつて、斎藤茂吉が、

 陸奥(みちのく)をふたわけざまに聳(そび)えたまふ蔵王(ざわう)の山の雲の中に立つ

(歌集「白桃」)と詠んだ蔵王です。

 不忘とは、古よりある、蔵王の歌枕です。『不忘山』(わすれじのやま)とは、蔵王山のことで、百人一首にも登場する喜撰法師が「 古今和歌六帖』」に寄せた、

 みちのくに あふくま川の あなたにや 人忘れずの 山はさかしき

という歌があるとか・・・。
与謝野晶子も、

 阿武隈も 牡鹿の海も ほのかなり 不忘山の 忘れざるほど

(心の遠景)と歌ったとか。

 その「不忘」なのです。


 こういうことを念頭に置いてはいますが、本当のところは、年を取ったせいか、最近物忘れが多くなったので、「忘れず」いろいろなことを書き留めておく、ということであります。

 ということで、とにかく始めてみます。御覧下さい。



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