アトラス山脈の麓マラケシュを15時に発車した列車は、砂漠地帯を過ぎ、カサブランカを通り、首都ラバトに着く。マラケシュからタンジェまで一等で282DH。駅前に宿を取る。食事に街に出るが、駅前の国会議事堂の広い通りは、たくさんの人が行き交っている。警備の警官、軍人もたくさんいる。食事後、宿に戻り、そのままダウン。さすがに、ツブカルから下り、旅行を続けてきたので疲れている。
翌朝、7:17発の列車で北上する。シディ・カセムで乗り換えになる。ここで乗った列車で、日本語を聞く。パリを出てから1週間ぶりに聞く日本語。タンジェまで久々に日本語を話す。左に大西洋が見えてくる。タンジェは終点でここからフェリー乗り場まではタクシーに乗るのだが、バレンシアに行くモロッコの大学生と同乗できた。たったの5DH。フェリーの切符を279DHで買った後、先の日本人一行と食事。油っぽい料理だった。海まできたので、おいしい魚でも食べたかったのだが、・・・。出国手続きをあっさり終え、フェリーに乗る。大きな船だ。4:50出港。対岸のスペインが近い。ジブラルタル海峡はこんなに狭いところだったのかと、改めて実感。約1時間の船旅で、スペインのアルヘラシスに着く。向かいに、小山のようなジブラルタル
島が見えている。時差が2時間あるので、夜8時。今日はこの町に泊まることにする。先の日本人一行と別れ、宿探し。混んでいるのか、何軒も断られ、ようやく込み入った町中のやどを探す。なんと10ユーロ。古いが、一応バストイレ付きの部屋である。RENFE(スペイン国鉄)の駅に行き、翌日の列車でマドリードまで予約。その後食事。ハモンハムを食べる。それでも15ユーロ。そこで、ゆっくり先の鉄道の切符を見ると、なんと、途中で4時間も待ち合わせがあるではないか。おかげで、朝7時に出てマドリード着は18:30となっている。スペインの高速鉄道AVEに乗るのに、こんなに時間がかかるのはばかばかしい。バスで行くことにして、払い戻し。ここで、フランススペインパスを使うのだが、これに間違った日付を書かれ、後で面倒なことになる。
翌日、朝9時発セビリア行きのバスに乗り、12時にセビリアバスターミナル。そこから鉄道駅までタクシーで行き、マドリード行きのAVEの指定席を
とるために窓口へ。ここで、フランススペインパスの日付が違うことに気づき、窓口の担当者に言う。すると、あちらの窓口に行け、といわれ、そこで待たされたあげく、また別の窓口にとたらい回し。あげくの果てに、最初の所に行かされ、延々1時間以上も待たされる。ようやく手書きのパスを渡される。2時間近く余裕があったのに、発車間際。
2時に出たAVEはさすがに快適であった。3つあったクラスだが、よく調べてなかったので、中のクラスにしたのが正解。機内食のような食事が出た。スペイン流でワインも付いている。マドリードでは、翌日の朝に出る列車でバルセロナに向かう予定だったので、アトーチャ駅近くに泊まり、駅近くのトレド美術館だけが目的であった。列車は、アトーチャ駅に入る。ホテル紹介所で歩いて数分の所にあるホテルをとる。急いでチェックインし、トレド美術館に行く。さすがに有名なだけあって、おびただしい数の絵がある。有名なゴヤのコレクションなどを先に見て回った。閉館時間になったので残念だが出た。その後駅に行き、翌日のバルセロナまでの切符を買おうとしたら、売り切れ。午後の便までないということになって、結果的には幸いした。夕食を食べたが、安い、と実感する値段だった。
翌日、予定外にできた午前中の時間に、近くのMNCARS(ソフィ王女美術センター)に行き、ピカソの「ゲルニカ」他の作品を見ることができた。それから、ティッセンボルネミッサ美術館、トレド美術館と共通券を買って回った。歴史的には、現代美術からさかのぼって見たことになるが、それはそれでおもしろかった。午後の列車でバルセロナに向かい、夜9時50分着。宿はマドリードで予約していたので、地下鉄で向かい、チェックインの後、夕食。ここは2泊するので、余裕がある。
バルセロナでは、ガウディがテーマ。一日中かかって、ガウディ巡り。グエル公園、カサバトリョ、サグラダファミリア・・・。すごい、の一言に尽きる。
2泊した後、アンドラに向かう。バスが12時にサンズ駅から出るのを確かめていたので30分ほど前に行き、列を作って待った。アンドラまで、というと、何やらわからない対応。きちんと説明もしないで、切符売り場の男は席を立ち、うろうろしている。そうこうしているうちに発車時間。隣の席にいる女の人に聞くと、「FULL」。結局、バスは出てしまった。次はあと6時間後だという。しかたなく、北駅のバスターミナルに行くと、3時発のバスに乗れた。アンドラまで19.5ユーロ。3時間のバス旅で、ピレネ山中の小国アンドラに着く。