2014年7月北海道遠征の記録
北海道遠征(1)大雪山旭岳
埼玉の山の仲間と5人で、北海道遠征に出かけました。
7月17日夕刻の、茨城県大洗発のフェリーに乗船。翌日昼すぎ、苫小牧港到着。そのまま道央道を旭川まで走り、旭岳温泉白樺荘YHへ。このYH、数年前に来たときから建て替えられて、とてもすてきな建物になっていました。自然の中の露天風呂は昔のまま。
翌朝、一番のロープウェーで、姿見駅へ。
駅前の池には雪が残り、後に旭岳がくっきり。途中、チングルマが満開で、姿見の池からは噴煙を上げる旭岳。
約2時間で山頂へ。ここは、一等三角点の山、瓊多窟(ぬたっく)選点100年記念の標石がありました。山頂からは、十勝連峰、そして雲の間にトムラウシに続く山なみ、黒岳へ続く山なみなど見えました。「北海道の屋根」です。
花も盛りで、イワブクロ、エゾリンドウ、チングルマ、ワタスゲと咲き誇っていました。
この日は、下山後、斜里まで移動。斜里岳麓の清岳荘に入りました。
北海道遠征(2)斜里岳
ダートな林道を通り斜里岳麓の清岳荘に着くと、びっくり。鉄筋の建物になっています。この山は、3度目なのですが、登山道の入口の小屋は、木造の小屋だったはず・・・。管理人に伺うと、2代目の小屋は、火事で焼け、3年プレハブの後、10年前に今の鉄筋の建物ができたそうです。この前来たのはそんなに前だったか・・・。と感慨深いものがありました。
さて、朝5時に出発。登りは、沢沿いの旧道コース。しばらく行くと、沢沿いの道。徒渉、へつり、高捲きの連続。
ようやく、上二股で沢から解放され、胸突き八丁の急坂を越え、馬ノ背。このあたりから、南側にある厚い雲海の影響で、曇ったり晴れたりが続きます。エゾキンバイ、エゾコザクラ、チシマギキョウなどの花に癒されつつ、山頂に着きました。
ここでも、南からの強風で、曇ったり、晴れてオホーツク海が見えたりの連続。 下山ルートは、沢を避けて、尾根道の新道コース。展望のない道を進み、ようやく沢の合流・下二股。ここからまた徒渉を繰り返しながら、ようやく、登山口の清岳荘に戻りました。
一休みの後、次の登山口、羅臼岳の木下小屋へ移動しました。
北海道遠征(3)羅臼岳
羅臼岳ウトロ側の岩尾別登山口にある木下小屋は、この山への道を切り開いた、木下弥三吉にちなんだ由緒ある山小屋。ここに宿泊し、朝5時登山口を出発。
オホーツク展望台、弥三吉水、銀冷水を経て、大沢にさしかかると、雪渓が残っており、エゾコザクラ、チングルマ、タカネバラ、エゾキンバイなどの高山植物が目を楽しませてくれました。この頃より、天候悪化。
羅臼平は雲の中、さらに進み石清水を過ぎると、風が出てきました。
頂上の岩場は、強風の中をよじ登ってゆきます。山頂では、登頂記念の写真を撮るのがやっと。早々に撤退。
そこから、帰途につきます。羅臼平には、ヒグマ対策のフードロッカーが置かれています。ひたすら下り、大沢の雪渓を通過する頃には、悪天は収まり、オホーツク海も見えてきました。
銀冷水を過ぎると、雨具は必要なくなり、途中、雲に覆われた山頂の一部が見えてきます。
ひたすら下り、15時に登山口に戻りました。
その後、次の登山口、阿寒の野中温泉へ。硫黄の臭い豊かな名湯、野中温泉で一日の疲れを癒しました。
北海道遠征(4)雌阿寒岳
阿寒湖の周りには、雄阿寒岳と雌阿寒岳、阿寒富士がありますが、今回は、雌阿寒岳に登ることになりました。麓の野中温泉は、大正時代初期に原野を切り開き、建てられたものから始まるそうです。硫黄のにおいのする、いい湯です。建物の後には、雌阿寒岳が見えています。ここから5分ほどで登山口。エゾマツの林の中を登り始めます。
ハイマツ帯に出る頃、小さな湖オンネトーが森の中に見えてきます。
しばらく登ると、それまで山の反対側にあった、雄阿寒岳・阿寒湖が見えてきます。足下は火山のざくざくの道ですが、ところどころにイワブクロやメアカンフスマなどの高山植物。雲海の上に出て、天気は最高です。
やがて火口の縁に着くと、そこからは、山頂の火口、後に阿寒富士の端正な姿が浮かび上がってきます。山頂からは、北に阿寒湖、雄阿寒岳、雲海の彼方には遠く斜里岳・知床の山々が見えました。また、火口の中にある青沼、噴火口と阿寒富士の姿も見事です。
帰りは、オンネトーに下るルートを取りました。火山特有のざらざらの道の傍らに、駒草の姿も見えました。約2時間で、オンネトー登山口。ここからオンネトーの湖畔を歩き、途中から雌阿寒温泉への道を取り、出発地の野中温泉に戻ってきました。
一休みの後に、次の目的地、糠平温泉の東大雪ぬかびらユースホステルに向かいました。
翌7月23日は、天気が悪く、登山は中止、休養日です。帯広の町まで行き、北海道の町暮らしを楽しんできました。有名なお菓子屋、六花亭の本店もこの町にあります。
北海道遠征(5)ウペペサンケ山
糠平温泉の周りには、名峰ニペソツを始めいくつもの山がありますが、今回は、ウペペサンケ山。アイヌ語で「春の水が押し出してくる」という意味だそうです。糠平からは、横に長い台地上の山頂が見えます。
ウペペサンケ山の登山口は、糠平小学校の先の林道を入ります。現在、林道の途中が壊れ、登山口少し手前に臨時の駐車場が作られています。
5時前に出発。30分弱で登山口まで臨時につけられた道を行き、いよいよ登山開始。これまで登ってきた山々と異なり、メジャーな山でないので、登山道の整備はいまいちです。途中倒木が何本もあり、藪が出ているところもあり、結構つらい道です。
1399mピークまで行くと、やっと稜線。ここからの道も、藪が出ているところもありますが、展望がよいことと、高山植物たちが慰めてくれます。クジャクチョウやウサギギク、ウメバチソウ等が見られました。目の前に見えるのは1595mピーク。山頂はまだ見えません。
菅野温泉からの道との分岐まで来ると、快適な尾根歩きになります。遙か彼方にいくつかのピークが並んでいます。 稜線には、ところどころに、駒草の群生が見られます。稜線の左側から雲が上がってきましたが、すぐに切れました。
10時過ぎ、一等三角点のある糠平富士のピークへ。ここもウペペサンケ山の横に長くつながるピークの一端で「ウペペサンケ山1834m」の標識があります。10m高い最高地点は、ここから1時間の所にありますが、今回は断念。この一等三角点ピークを終点としました。このピークのすぐ下にも駒草の群生がありました。
しばらく景色を楽しんで下山。長い稜線を歩き、ところどころ藪の茂った急な道を降り、 14時に臨時駐車場まで降り、長い山行を終えました。
このあと、音更町のトイピルカ北帯広ユースホステルで一泊。北海道らしい広々とした木造の建物で北海道最後の夜を過ごしました。
翌日、長沼町を経由し、苫小牧まで移動し、夕方のフェリーに乗船。北海道ツアーを終えました。