ジオサイト松川河岸段丘
段丘面で暮らす人々の営み
蔵王から流れくだる松川は、長い年月をかけて、時には洪水や氾濫を繰り返しながら、 大地を削り、 土砂を運び、堆積させ、 その他の大地の営みと連動しながら段丘を形成しました。
段丘面上は、見晴らしが良く、 平坦であるため、 古くから人間の生活の舞台となってきました。 松川流域の段丘面上から は、縄文時代以降の遺跡も多く出土しており、人々の暮らしが続いてきたことが伺えます。
段丘面上は、水はけも良く、平坦であることから、農地として利用されており、中でも果樹栽培の適地として、 蔵王の特産品でもあるおいしい梨やりんご等が栽培されており、現在においても重要な産業の基盤として地域を支え続けています。
段丘面上の巨礫群
蔵王連峰を起源とする松川が作った段丘面上には、いくつかの巨礫群を見ることができます。角が取れた表層から、 噴火によって直接この地に着地したものではないことは伺えますが、 中には、 直径4mにも及ぶ巨礫もあり、河川の水のはたらきだけで移動したとは考えにくいものも存在します。
これは、火山活動に伴う山体崩壊による岩なだれ (岩屑なだれ)や、土石流の跡であると 考えられています。
河岸段丘のでき方
- 侵食
- 高いところ (山) から流れてくる水は、 蛇行 しながら大地を削り (侵食)、溝をつくります。
- 氾濫と土砂の堆積
- その水は、大雨等の増水に伴い、氾濫し流路を 変えることもあり、 その流路においても大地を 削ります。
- また、上流で削った土砂を下流へ運び (運搬)、 土砂を堆積させ、段丘面をつくります。
- 隆起や海水面の低下
- 地殻変動によって、上流の大地が隆起したり、 気候変動によって、 海水面が低下すると、流れる 水の浸食作用はさらに強まり、段丘面をさらに 削り、より深い溝をつくります。
- 繰り返す大地の営み
- 1~3の行程を繰り返すことで、複数の段丘 面がつくられます。