円田盆地ジオサイト

2000万年前~ 日本海の拡大・日本列島の大陸からの分離
1600万~800万年前 東北地方の大部分が海底へ
800万年~300万年前  再び陸化・軽い流紋岩質マグマの活動・巨大なカルデラの形成
370万年前 白石カルデラの形成 白石市北部~青麻山~松川中流域~円田盆地
湖の形成 珪藻の以外の堆積による珪藻土の形成 明治~昭和の珪藻土採掘・建材や七輪
300万年前~奥羽山脈の隆起・断層の形成 蔵王町中部~東部では褶曲 大地のシワ
陸地化し、平坦な地形の形成。弥生時代からの稲作地 発掘される多数の遺跡群
現在の稲作地域 

明治時代~ 水不足
水量豊富な澄川から用水建設 
大正時代 澄川~遠刈田発電所~疣岩分水工~澄川用水(農業用水)
現在の稲作地域へ 「蔵王源流米」

ガイド資料

白石カルデラ以前・日本列島が大陸から離れ⇒活発な火山活動と共に日本海を作り
⇒西と東に分断しながら回転し奥羽山脈やその東部は陸化した。当時の東北日本は、火山灰と穴だらけ(カルデラ活動期)
白石カルデラ・約370万年前のカルデラ噴火の活動によってできた巨大なカルデラ内であった。(円田盆地~青麻山を含み~白石市北部に至る)
・直下の巨大なマグマだまりのマグマが抜けて内部が陥没する。
・カルデラ内部には巨大な湖(カルデラ湖)があったとされている
・カルデラ形成後に、大地の割れ目を登ってきた貫入岩が残る
・白石カルデラの噴出物は、宮城県南部~仙台市に至るほど噴出物を堆積させた。(村田ダム周辺の露頭では、軽石凝灰岩(沼田凝灰岩)が30m、広瀬川沿いの露頭の広瀬川凝灰岩が7mほど。当時の白石カルデラの噴出物(火砕流)は、県南一体~仙台市北部までを焼きながら埋め尽くすほどの巨大な活動であった。
円田盆地・東西圧縮の影響により白石カルデラ内に、大地のしわができる
・しわの低い分が円田盆地で、かつては湖(古円田湖)があった
・その証拠となるのが珪藻土
・流れる水の働きやその後の火山活動などにより低い部分が埋まった。
円田珪藻土・正式には珪藻質泥岩。(珪藻の死骸が湖底に堆積し化石化したもの
・珪藻土は、保湿性、断熱性、耐火性に優れる
⇒ろ過材、吸湿材、土壌改良剤、断熱材、耐火機材(七輪)
・当初は、外部の資本が採掘を開始
・大正6年に地元資本である宮城珪藻土(株)が採掘開始
・戦時中も、軍用物資として増産され、最盛期には、1万トンを超える生産量、10社が採掘事業を行った。
・昭和40年代以降、採掘量減少に伴い事業停止
円田盆地と人々の暮らし・平沢要害(城館跡)も珪藻土採掘に伴い焼失
・大地のしわの丘陵部には多くの弥生時代の遺跡が分布。古くから、この時代で稲作が営まれていたとみられる。(一方で、松川河岸段丘周辺では縄文遺跡が多くみられる)
・大和朝廷の東北統括の拠点、十郎田遺跡
平沢要害(城館跡)も珪藻土採掘に伴い焼失
⇒人々の生活の適地
⇒当時の国家(大和朝廷)の最前線
⇒カルデラ壁の痕跡が遺跡に
⇒大正~昭和に珪藻土で一大産業に
⇒現在は、蔵王町を代表する農業地帯