そこから500mで登山口。登山口は広場になっていて登山届を記入するようになっている。 熊に注意の看板あり。ここで休憩。
ブナからダケカンバに変る頃、道は急になり、木が低くなり笹の
中の道になると、稜線は近い。展望が開けるところに出るがあいにくの天気である。途中10人くらいの
パーティーとすれ違う。日帰りのグループのようだ。この日は登っている人はいないだろうと思っていた
ので驚く。
前日に降ったらしい雪がところどころ残っている。急登が終わると、稜線に出て、大峰岳分岐
に13:35。ここから平らになり、水がたまって歩きにくい道を15分ほどで、ガスの中に小屋が見える。
小さな社を過ぎ、立派なトイレの小屋の向こうに、とんがり屋根の避難小屋がこぢんまりと建っている。
誰もいない。荷物を置いて空身で頂上へ。依然として視界20mくらい。2-3分でガスの中の白神岳の山頂 に着く。頂上は三角点がある広場になっている。視界悪し。10分ほど滞在して小屋に戻る。なお、頂上 から50m降りると水場があると書かれていた。
避難小屋は、小さな建物だが、中は3層に別れていて、収容人数は見かけより多い。
よく工夫された建物だ。
3階に登り、荷物を広げシュラフに入り休憩。地元の山岳会の人達のものであろうシュラフやマットが置
いてある。窓から外を見ていたら、突然、向こうに山並みが見えてくる。白神山地最高峰の向白神
岳とそれにつながる山々である。
写真を撮ったり眺めたりしているとまた、ガスの中に入る。今日はこの小屋で一人かと思っていたら、
3時過ぎに若い2人パーティーが到着。十二湖から登ってきたとのこと。
彼らは一階に陣取る。日没が4時半くらいなので、4時には夕食のしたくをし、さっと食べ、5時半には
シュラフにもぐり込む。この日の夕食は、パックの赤飯とパックのおでんと味噌汁。ワイン付。昨日もあ
まり寝ていないので、日が落ちる頃寝てしまう。途中風の音で何度か目を覚ましたが、静まり返った小屋
の中で翌朝5時の起床まで、久しぶりによく寝た。
11月2日5時に起床。朝食の準備。湯を沸かしてカレーとご飯を温め食べる。天候は、依然として小 雨、風はない。荷物を片付け、パッキング。
6:15に小屋を出る。視界は少し広がっている。
6:30に大峰岳分岐。ここから十二湖へという標識に従い、縦走路を進む。道は笹が出ていて、部分的
には「踏み跡」のような状態である。ピークの上り下りを繰り返し、10個目のピークが大峰岳。
濡れた路の登降を繰り返す。途中、風が出て雲が晴れ、白神岳山頂の昨日泊まった小屋や,谷を隔て
て向白神岳とそれに続く稜線が見渡せるが、すぐに雲に隠れる。
また、時々、海岸線と紅葉の山々が姿を見せる。晴れていればすばらしい展望の稜線だ。
山の頂きから海が見える景色は、なかなか感動的である。
特に、昨日、海岸線から歩き始めたことを考えると、はるばる来たな、という印象が深い。
約2時間後の10:25に大峰岳。展望のない、何ということもない頂きである。
そこからさらにピークを5つ越えると崩山に至る。途中、ガスが一時晴れ、紅葉と海岸線が見える。
天候は小雨であるが少し回復しているようだ。途中、登山道の右側で、がさごそと音がする。
こんなところで熊にあったら大変と、急いで通り過ぎる。
1時間後の9:30に崩山到着。
さらに1時間後の10:45に大崩に至る。
ここからは、展望も良く紅葉した十二湖の景色が美しい。大崩は、左側が大きく崩壊している。
そこよりブナ林の中をひたすら十二湖に向い下ってゆく。
約1時間で十二湖の登山口に到着する(10:45)。
紅葉の鶏頭場の池のほとりの大町圭月の碑から青池に寄る。
落ち葉が三分の一くらい覆っているが、神秘的な青い水の色である。
そこから、挑戦館という地元の物産館に出る。ここからバスが出るが、2時間以上待たなければならず、
歩いてビジターセンターに行き見学し、その後、十二湖駅まで歩く。
十二湖は紅葉の最後の耀きを見せていた。
途中、黄金崎の不老不死温泉に電話すると、今夜は泊まれるとのこと。
約1時間で十二湖駅に出るが、電車は3時間ない。
電話でタクシーを呼び黄金崎不老ふ死温泉に向かう。約20分で宿に着く。
チェックインをすませ、2日間雨の中を歩いて濡れネズミになった身体を温泉に。天国の一時である。
不老ふ死温泉は、海のすぐ傍にある温泉で、夕日の見える海岸の露天風呂は有名である。湯治場もある。
入浴の後の海の幸にあふれた夕食は天国の続きであった。
交通費