はじめに
2020年3月ニュージーランド北島を訪ねました。【ニュージーランド北島を歩く1】 オークランド到着 2020年3月13日
少し天候が安定して来た3月のこの時期、ニュージーランド北島の旅にでかけました。行きの東北新幹線に車窓からは、雪の吾妻連峰、安達太良連峰が見えています。日本では、冬が終わるというこの時期、ニュージーランドでは夏が終わります。
成田空港から、10時間半のフライトで、ニュージーランドの入り口であり、最大の都市であるオークランド(AUCKLAND)へ。ただ驚いたのは、チェックインの操作の時に、何度もはねられます。実は、昨年10月から、オーストラリアのeTaと同じような、NZeTaというのが始まっていたというのです。オーストラリアやUSAでやっているので、知ってはいましたが、ニュージーランドで始まったというのは初耳。これがないと入国できません。一瞬まずい!と思いましたが、テクノロジーの進歩はこの壁を簡単に乗り越えられるようになっていました。
まず、iPhoneかアンドロイドの携帯で、NZeTaのアプリをダウウンロードし、立ち上げます。必要事項を記入し、最後にクレジットカードの情報から44NZ$を払うと即時発行。これで、チェックイン操作もOKです。かつては、eTaをとるときに、旅行会社が間違った生年月日を記入しオーストラリアに入国審査でつかまったり、アメリカのestaをとる時に、間違えて一つNとするところを見落としYのままで出すと、入国拒否。それを修正するのに1か月以上かけてメールのやり取りをしたことを考えると 、夢のような話です。
オークランドは、気温は20度を超え、このところ10度以下の遠刈田から来た身には、暑くてしょうがありません。周りの人はみんな半そで、こちらは、薄いながらもフリースです。それにこのルートは、時差が-4時間という、夜が4時間短くして明け,朝の9時に着くという、眠くて仕方ないルートです。
ぼんやりしながら空港に降り、「厳しい」入国審査を終え(NZは環境保護の点から、入国に厳しい。食べ物や動物、汚れた泥の持ち込みがチェックされます)、空港を出ました。それからやることがいろいろ。まず、ATMでNZ$を200下ろします。いくらカードが使える時代とはいえ、通貨が必要な場面はいくらでもあるのです。
次に、今回は16日いるので、携帯電話が使えるようにVODAFONEのSIMを買い、シムフリーの処理したiPHONEに入れました。こちらは、係の者が慣れたもので、携帯を渡すと、さっとシムを入れ、手続きまでやってくれました。これで、この電話機は、1.5GBのデータ通信と200分の通話ができ(30日有効)、いざというときに使えるようになりました。値段は29$(今レートが下がっているので2000円くらい)。でも、これはシムの規制を解除したシムフリーの携帯だからできることで、日本の大手の携帯を持って行ってはできないことなのです。こういう点でも、日本の「ガラパゴス化した」制度を感じます。ともかく、これで、フリーWiFiがないところでも通信し、電話も掛けられるようになりました。もちろん、テザリングの方法でパソコンからWebの更新作業もできます。
次にしたのは、オークランドの公共交通の券ATカードを購入。スイカのようなものです。3日間の滞在なので、元を取れないかもしれませんが、買ってみました。日本に比べて、各都市が違うカードを発行しているのでこういうことが起ります。
空港から市内までは、スカイバスで17$で移動し、宿に入りました。まだ11時なので荷物を預けて、オークランドの中心地をとにかく歩いてみようと、3時間ほど歩きました。大体様子が分かったので2時ころに宿に戻り、部屋に入り、シャワーを浴びて一休みしました。今回取ったのは、ホテルではなくアパートメント。行ってみると、オークランド大学はじめいくつかの大学が集まった地域で、その学生を泊めているアパートの余りを観光客に貸してているようです。まったくの1DK。広いのですが、・・。周りにレストランもなく、ミニスーパーばかり。少し遠くの繁華街に行き、今日は、ケバブをテークアウェイ。イギリス英語です。それを食べながら、これを書き、早めに寝ることにします。
【ニュージーランド北島を歩く2】 オークランドの博物館 2020年3月14日
滞在2日目。今日は、バスに乗ること、長距離バスの手配、そして、2つの博物館の見学が目標。
知らない土地で、バスに乗るのは結構大変です。バスがどこに停まるのか、どこに行くのか、どこで降りるのか、どのように支払いをするのか、などを判断しなければなりません。もちろん事前の情報と準備も必要です。このオークランドでは、ATカードというのを事前に手に入れました。カード代10$とチャージ10$、このカードはスイカのように使いますが、この街だけのカードです。そこが日本と違うところで、旅行者にとっては、困ったものです。
これを使って、環状線になっている、インナーリンクというバスを使って中心部に向かいます。まっすぐ行くバスもあるのですが、名所見物を兼ねて遠回りしました。緑のバスがそれです。これはこれでわかりやすい。ちなみに、4本、何とかリンクというバスが走っていて、色分けされています。
乗るときに、カードをタッチ。残額が表示されます。降りるバス停前でボタンを押すと止まってくれます。降りるときにまたタッチ。これだけですが、とにかく乗って、明後日インターシティーバスの出るスカイタウンに行きました。
ここに、長距離バスのターミナルがあります。ここで、今回の滞在中の移動に必要な7本のバスの予約を済ませました。全部で210$、1万3千円ほどです。
そこから歩いて、海事博物館・マリタイムミュージアムへ。この国も、ヨーロッパからの白人の移民により「近代化」されてきましたので、スタートは、港町です。オークランドも重要な港町でした。
この博物館には、その昔のマオリ族のころからのポリネシアの航海の事情が展示されています。またその後の大航海時代の資料、そして近代化される船と航海の様子です。港で船を操縦する、という面白いシュミレーターもありました。また、かつての「海図」や南半球の星の図など珍しいものもありました。
とりわけ圧巻なのは、ヨット。この国は、アメリカズカップで世界一を争ってきたよっと大国で、港にはたくさんのヨットが停泊しています。
展示を眺めた後、港にあるレストランで昼食。シーフドチャウダーとビールで約30$。次の博物館に行こうとぶらぶら歩いていると、しゃれたお土産屋さんがありましたので立ち寄りました。オールブラックスのお土産もありましたので、頼まれていた一つを買いました。会計の時に、ここが大橋巨泉がやっていたOK-shopだとわかりました。店員の皆さんは日本人の方です。
そのはす向かいに、オールブラックスのグッズの店「チャンピオンズオブザワールド」というのもありました。ファンの方なら垂涎の店です。
バスに乗り、オークランド博物館に行きます。公園の丘の上に立っている、3階建ての大きな建物です。入場料とマオリのショーで45$。1階は、マオリと南太平洋の国々の文化の展示。いろいろなものがありますが、何か共通したものを感じます。この前、ニューカレドニアで感じたものと同じでした。これまでこの地方は、タヒチ、サモア、バヌアツ、フィジー、ニューカレドニアと旅したことがありますが、多くの共通点を持っています。
途中からショーの時間になり、移動しました。ホールで6人により行われたショーでは歌あり踊りあり、最後は、ハカで終わりました。
そのあと3階の戦争の展示。これまでこの国がかかわってきた戦争の展示です。特に第1次、第2次大戦については、犠牲者の名が刻まれた壁があるメモリアルホール。ここに、ゼロ戦があるのです。また、陸軍が作った、戦争用のニュージーランド北部の地図が展示されています。軍機密です。ここまで準備を進めていたのです。
2階は、自然史博物館で、様々な展示があります。
見学を終えて、宿に帰る途中で夕飯の買い物。今日はフィッシュアンドチップスです。
【ニュージーランド北島を歩く3】 船でデボンポートヘ 2020年3月15日
滞在3日目。今日は、フェリーで海を渡り、デボンポートという地域を歩きます。それから、美術館を訪れます。
朝宿を出て、すぐのところにモニュメントがあります。1842年から1875年のニュージーランド戦争の記念碑です。目抜き通りのクイーンストリートを海まで歩きます。まず、ワーフの近くにあるオールブラックスの店で、頼まれた買い物。それから、フェリーに乗り、デボンポートへの船旅。といってもわずか12分ですが。海の上から見るオークランドの街もなかなかのものです。ハーバーブリッジもきれいに見えています。デボンポートは古い町のようです。
船着き場に着くと、街歩き。まずこの地域で一番高い、マウントビクトリアに登ります。 山といっても、標高80m。それでも結構登りでがありました。
山頂からはぐるりと海に囲まれた景色です。オークランドの街、遠くや近くの島、橋も見えます。山頂には、金属製の案内板。そして、ここは要塞の跡です。大砲が残っていました。海峡を抑えるのに絶好の場所だからです。三角点の標識もありました。
下りて、デボンポート博物館を探します。ようやく見つけましたが、残念ながら開館時間ではありませんでした。
街を歩くと、木の実が目につきます。またハイビスカスの花も咲いています。ここは、夏の終わりだから、木の実が実る時期なのです。ちょうど日本と反対なのを改めて思い出します。ここでは、昼間は太陽は北から照らします。日本の反対です。それで地図を読むとき感覚がおかしくなります。日本では太陽のある方が南ですから。
それから、今度はノースヘッドへ。ここには、海軍博物館があります。そこに、2次大戦のコーナーがあり、日本の海軍が使っていたニュージーランドの地図が展示されていました。ノースヘッドは、小さな火山の跡で、標高は60m。こちらからもいい景色で、やはり要塞がありました。下りで、何かのワナを見ました。ひょっとしたら、ポッサムかもしれません。前に南島を歩いたときに、同じようにやっていましたから。ポッサムはこの国では生態系を脅かす外来種で捕獲の対象でした。
波止場に戻り少し遅い昼食です。夕食が貧しい分、昼食は少し豪華に。今日は、チーズバーガーとビールです。ビーフが歯ごたえがあり、とてもおいしい。
フェリーで戻り、昨日見逃したフィッシュマーケットを経由して、オークランド美術館へ。ここは2011年にリニューアルしたきれいな建物です。ちょうど、日本の浮世絵展をやっていました。この美術館は、「レジデント=住民」は無料です。外国のビジターは有料。特別展の浮世絵はずいぶん力が入っていて、相当な点数でした。ほかの展示は、現代美術中心で、ちょっと物足りない感じ。
街を歩いていると、スクーターのような乗り物が目につきます。色の違いで、何社かあるようですが、これ、実用的な乗り物なのです。モーターがついていて、坂も上ります。携帯でレンタル手続きをして乗っているようです。また、街には、日本食の看板が目につきます。SUSHI、どんぶり、ラーメンなどです。まだ食べていませんが…。
そんなこんなで3日目が終わりました。明日は朝、オークランドを去り、バスでハミルトンに向かいます。
【ニュージーランド北島を歩く4】 ハミルトンへ 2020年3月16日
今日はオークランドを去り、ハミルトンに移動します。月曜朝のオークランドの交通渋滞はものすごく、一昨日の倍くらい時間がかかりましたが、余裕をもって宿を出たので、間に合いました。バスは2階建てで、WiFiつき。2時間余りです。
ハミルトンの中心街は、この国で第4の都市だというのに意外と小さくまとまっています。宿に行くと、すぐに部屋に入れてくれました。
案内所の位置が博物館脇に変わっていましたから、博物館に行きました。マオリのつくったものが展示されていました。特に圧巻は船。20m以上の船がありました。装飾付きです。またいろいろな像がありました。
同時にやっている恐竜展は有料。お付き合いで入ってみましたが、結構よくできていました。子供は喜ぶと思います。お客はまばらでしたが。
その隣に、観光案内所を見つけました。明日の予定について聞きましたが、地元でないのでよくわからないようでした。この町の見るべきところは?と聞くと、とても熱心にハミルトンガーデンを勧めてくれました。ちょうどいいバスはないのですが、歩いて30分というのでリバーウォークを歩いていきました。
さすが、勧めるだけのことはあります。いろいろな庭園が20弱ありました。日本庭園は室町時代の枯山水と池に築山を配置した回遊式庭園。歩くことはできませんでしたが、そこの紅葉が色づき始めていて、こちらは秋の始まりなんだと実感しました。そのほか、中国、インド、イタリア、イギリスなどの庭園が作られています。また、森の中を抜けていくと突然小人になったように感じる庭園などあり、楽しませてくれました。
帰りもリバーウォークを通り戻りました。町のはずれに大きなスーパーがあるとのことで、行きました。こちらに来て初めてです。ビールとワインを買って、総菜売り場に行くとサラダを売っていました。このところ野菜を食べていないので、今日はここでサラダとビーフパイを買って夕食にします。マヌカハニーというのも売っていましたが、これは荷物になるので、帰国直前に購入します。
明日は午前中ゆっくりして、11:20のバスでトンガリロ国立公園に移動します。
【ニュージーランド北島を歩く5】 トンガリロへ 2020年3月17日
ハミルトンからトンガリロへ移動します。出発が11時20分と遅いので、チェックアウトの後、ロトロア湖へ散歩。この湖は、1周4㎞とか。行ってみると、カモやら地上を歩く黒い鳥などがのんびりとしていました。湖の周りにサイクリングコースが設置され、歩く人・走る人・自転車の人などがまわっていました。
ベンチが所々に置かれていますが、それぞれにプレートがつけられていて、読んでいくと、いろいろな人が、何かの記念に寄付をしたもののようです。こういうありかたもいいな、と思いました。
鉄道駅を回って戻ろうとしましたが、駅の位置がわかりません。線路を渡るとき、なんと、トラックが線路の上を走ってきました。道路に出るところで止まり、何やらしています。線路を走れるようになっていた前輪の部分が引っ込んで、普通のタイヤで走るトラックになってしまいました。線路の補修用だと思いますが、初めて見ました。
街を歩くと、モミジが紅葉し始めています。やはり、秋なのだと実感。そのあと駅の入り口を見つけ、行ってみました。誰も人がいません。1日1便だけしか停まらない駅なのです。プラットホームはとても長く作られています。今回も、乗ることも考えたのですが、曜日と時間が合いません。オークランド~ウェリントン間は、週3日づつ隔日に運行され、オークランド発が早いのです。
バスセンターを11時20分に出て、南に走っていきます。ヒツジや牛の放牧がたくさん見られました。途中、列車の駅がある何か所かで停車、3時前にナショナルパーク駅着。ここからシャトルバスですが、次のバスが4時だとのこと。客は一人でした。10分ほどで、宿のあるファカパパビレッジへ。シャトートンガリロホテルに入ります。このホテルは、4つ星のこの地方最高クラスのホテルで、今回の旅の中では特別高級なホテルです。ここには、宿泊施設が少なく、値段もまあまあだったので3連泊することにしました。シャトルバスの手配でちょっと苦労しました。「地球の歩きかた」に記述があるのですが、この旅行会社では片道しか乗れません。結果的に分かったのは、泊まるホテルに、何時に着くから手配してくれ、と事前に連絡すればよかったのです。ホテルが手配してくれます。
ただ、周りにはほとんど何もありません。こんなことなら、ハミルトンでいろいろ仕込んでおけばよかった、と後悔。キャンプ場の売店のようなところで、適当に見繕って、明日歩く、トンガリロアルパインクロッシングの昼食を購入します。近くにバーがあったのでそこでピザとビールで夕食にしました。
さて天気は良さそうです。山の雲も取れました。夕焼けしています。明日は、今回の旅のハイライト、トンガリロ・アルパイン・クロッシングです。最近長時間歩いていないので、19㎞8時間で不安はありますが、楽しんできたいと思います。
【ニュージーランド北島を歩く6】 トンガリロ・アルパイン・クロッシングを歩く 2020年3月18日
いよいよ、今回の旅のハイライトの一つ、トンガリロ・アルパイン・クロッシングを歩きます。このコースは、全長19.4㎞、上り900m、下り1200mのコース。途中にトンガリロ火山の織りなす絶景が広がるとのことです。走破時間は、6~8時間のロングコースです。
周りの山々が見えています。南には、北島最高峰のマウント・ルアペフ、北には、きれいな円錐形のマウントナウルホエ。
シャトルバスは、前日のうちに、ホテルのフロントで申し込み。7,8,9時出発のうちから、8時出発を選んでいました。天気予報は、最高の天気だと…。
寝苦しい一夜が過ぎ朝起きると、なんとうっすりと雪。これは大変と、装備を考えます。この時期に蔵王で履いていた、冬のズボンと長袖アンダーシャツ、フリース、ウィンドジャケットとしました。
朝食の後、荷造りを終え外に出ると、これでちょうどいいくらい。バスは8時に来て客を積み終わると、約10分でスタート地点のマンガテポポの駐車場へ10数分で到着。バスドライバーの説明があり、帰りは、ゴールのケテタヒ駐車場は、2時半、4時、5時半に配車するとのこと。8時半にスタート。長丁場の始まりです。天気は快晴ですが、風が強く吹いています。
初めの4㎞少しはゆっくりと登っていきます。それにしても、現地の人たちの歩くのの早いこと。とてもついていけません。マイペースでゆっくり行きます。どんどん抜かれていきます。トイレが結構こまめに作られていて、次のトイレまであと何キロで時間いくつ、という標識があります。さすが、「世界一」とうたうトラックです。
4㎞先のソーダスプリングから、急な登りが始まります。標高差350mを登ります。ここでもマイペースで、どんどん抜かれます。登り終えると、サウスクレーター。ここからクレーターをゆっくり歩きます。このあたりから風が収まってきました。雲一つない快晴、無風、暑いくらいです。
次がもっとも急な登りをレッドクレータまで230m登ります。右に見えるクレーターは、赤い色をしています。鉄分の多い溶岩が流れた?そしてその下にエメラルド・レークが3つ見えています。緑なのですが色が少しづつ違います。火口のふちのザクザクの急な下りを降りると湖に出ます。ここでちょうど12時になりましたので、昼食。といっても、キャンプ場売店で買ったカップ麺とクラッカー。あまりおいしくありません。20分ほどで済ませて出発。
砂漠のようなセントラルクレーターを歩き、すこし登ると、丸いブルー・レークが見えてきます。この周りを四分の一周して、ハイライト部は終わり、下りにかかります。ここが標高1700m、標高700mまで1000mの下り、距離にして9㎞です。
この下りが、長い、長い。下っても下っても先が見えません。ただ、道はとても整備されて歩きやすい。天気は快晴で、周りの山や正面の湖などが見えます。途中2か所のトイレを経て、ゴールのケテタヒ駐車場に着いたのが3時20分。6時間50分での走破でした。
バスは4時に迎えに来ますから、それまでのんびり過ごします。いろいろな会社のバスが入ってきます。このコースの人気を示しているようです。
4時にシャトルバスが来て、ホテルに帰ります。バスは満員です。ホテルで降りてからカメラを忘れたことに気が付きました。すぐホテルのフロントに行きそのことを話しました。忘れた場所も時間もわかっているし、連絡次第すぐ戻る、と思っていたのですが、連絡がありません。フロントに行き聞くと、ない!。夕方の客を乗せて、掃除してから連絡する、とのことでしたが、やはり、ない!ドライバーも携帯電話を持っていて、乗客はみな予約客で、探せばすぐなのに…。日本ではありえないことでしょう。いまだになぜだかわかりません。ということで、好事魔多し、最後の最後に、とんでもないことになりました。したがって、写真がほとんどありません。残念!
しかし、長年の懸案だったこのコースを、最高の天気の元歩けて良かった、という思い出を残せました。
明日は、この島の最高峰、マウントルアペフ2979mに行く予定でしたが、天気予報が雨とのことなので、見送ることにしました。
【ニュージーランド北島を歩く7】 撤収の準備/タラナキ・フォールへ 2020年3月19日
コロナウィルスをめぐって、世界の状況は、悪化の一途をたどっているようです。ここニュージ-ランドでも、日本との直行便を3月30日以降欠航ということになりました。この措置は、まだ広がる可能性を持っています。そこで、旅行は打ち切り、帰国することにしました。
帰国するにあたって、やることがたくさんあります。まず航空券の変更。ニュージーランドエアー日本支社にコンタクトを取らなければなりません。日本支社の電話は、9時~5時の間しか受け付けていません。Webにもあるように、電話が集中しているようです。日本からかけてもらうことにして、何度もトライしたようですが、ダメなようです。今回、こちらのsimを買って、通話時間が190分くらい残っているのを思い出し、こちらから東京にかけてみました。2回目に10分くらい待たされて、つながりました。21日の便は空いていて簡単に変更してくれました。(今回買った航空券は変更不可のものですが、特例なのでしょう。ウェリントン~オークランドの払い戻しはないとのことですが)
次に、オークランドに行くためのバスの手配。まずナショナルパークまでのシャトルバスを宿のフロントで予約しました。インターシティーの次の目的地ロトルアに行くバスはハミルトン経由ですが、これがオークランド行きです。これを終点までに変更し、翌日以降の便をキャンセルしてもらわなければなりません。電話で、インターシティーのオークランドにつながり要望を伝えましたが、まだ何か言っていますが理解できません。しばらく待てと言われ、日本語を話せる社員が出て事情が分かりました。今回購入したチケットは払い戻しできないため、使わなかった83$分は、リファンドではなく、1年有効のクレジットになる、ということでした。使えなくてもやむを得ないと、OKしました。
さらに、オークランドで1泊した翌日のフライトになりますので、宿探しです。着くのが夜7時半で、翌日9時半のフライトなので、便利の良いところということで、メルキュールをとり、予約してあった、ロトルア、ニュープリマス、ウェリントンの宿のキャンセルです。今回使ったブッキングコムでは、コロナのための旅程変更に伴うキャンセルはフリーという扱いをしていました。
そんなこんなで、時差が4時間ある日本の9時(こちらは1時)から手続きをはじめ3時間以上かかりましたが何とか完了。これに基づき、明日は、12時に宿からのシャトルバス。1時20分にオークランド行きに乗り、7時半にオークランド。メルキュールホテルに入り、翌日8時前に出て、空港行きのバスに乗り、チェックイン、9時20分に離陸、ということになりました。
朝、この準備をはじめましたが、1時まではすることがありません。朝降っていた雨も上がったようなので、往復2時間のタラナキ・フォールを見てきました。周回の道があり、よく整備されていました。滝は水量がいまいちですが、大雨の後などは大きな滝になると思われます。また、行く道も、樹林の中や草原の中を行く変化のあるもので、手ごろなハイキングコースでした。このコースは、トンガリロ・ノーザン・サーキットの一部なのです。
当初の予定で登ることになっていたマウント・ルアペフは終日雲の中でしたので、行かなかったのが正解、といえました。
夕方、ビジターセンターに行きました。ここはもちろん火山の国立公園。その関係の展示や映像が豊富です。また動物、と言っても鳥ですが、剥製がありました。そして、オーストラリアからの外来種ポッサムの罠と毛皮があります。ここニュージーランドでは、害獣なのです。オーストラリアでは保護されているのですが…。
そんなこんなで、旅行断念、その手配が大変でしたが、とても役に立ったのが、29$で買った携帯のSIMでした。データ通信で2/3の1GB、通話時間で150分くらい残して、捨てることになりましたが、それは仕方がないでしょう。
【ニュージーランド北島を歩く8】 オークランドへ 2020年3月20日
旅行中止、撤退を決めた後、今日の段取りは、オークランドへの移動です。ホテルからNationalPark駅までは12時にシャトルが来ます。10時にチェックアウトしましたが、それまで部屋を使っていいといわれ、部屋で映画を見て過ごしました。
12時少し前に玄関に行き、12時のバスを待ちました。乗ったのは3人。NationalParkまで10数分です。そこで聞いた話が、今日はこの時間にオークランド行きの列車が出る、ということです。これは知らなかった!この鉄道には、乗ってみたかっただけに、残念です。
列車は1時過ぎに到着し、1時15分に発車。バスは1時20分発車です。残念。ただし、ここからオークランドへの費用は、列車107$、バス60$と違います。1時過ぎに列車が入線してきました、機関車、貨車、4両の客車の編成で、ゆったりしています。もし次回チャンスがあるなら、この列車に乗ってみたい。
そうこうしているうちに、バスが来ました。結構人が乗っています。このバスは、ハミルトンを経由して、6時間後にオークランドに着きます。場所がいいので予約していたメルキュールホテルにチェックインし、お土産を探しに10時までやっている近くのカウントダウンという大手スーパーにいきました。ここは、大量消費用のスーパーで、品数が多くありません。マヌカハニー5瓶と紅茶、ビールを少し購入。時間は9時過ぎ。
ケバブ屋でチキンナゲットとチップスをテイクアウェイ。宿に戻り、ビール・ワインで空腹を満たしました。
何本か電話をかけましたが、NZからの帰国者に関して14日の隔離があるというように情報が流れているようです。三郷山の会のYさんが探していただいた情報が、今のところ、一番信憑性ありそうです。NZは含まれていない。しかし、対象の国から帰ってきたなら、14日の隔離、公共交通機関の利用は認めないとなっていますので、具体的にはどういうようになっているのでしょうか。
とにかく、明日朝9:50オークランド空港発の便に乗ります。8:30前には着いているようにするため、スカイバスは7:30前の乗車になります。6時に起きて、荷造りの後7時過ぎの空港行きのバスに乗ると間に合います。
【ニュージーランド北島を歩く9】 帰国 2020年3月21日
朝6時に起床し、空港への移動準備です。フライトは9:50なので、8時すぎには着かなければなりません。そのためには、7時にバスに乗ります。空港に行くスカイバスは、来た時に乗って様子がわかっていますから、安心です。本当は乗るはずではなかったバスですが…。
空港まで20㎞あまり、1時間弱で着きます。土曜日の朝なので、道路も空いていて、順調に着きました。余裕があったのですが、チェックインのところがとても混んでいます。チェックインの機械がずらり並んでいるのですが、あまり使われていません。
手続きをしましたが、最後のところで、係員に連絡をしてください、となりました。原因がよくわかりませんが、ひょっとしたら、本来はウェリントンからの乗り継ぎになっているので、ここでチェックインできないと機械は判断したのかもしれません。少ない窓口に延々と並んでいます。
結局30分以上かかって、ようやくチェックイン、バゲッジドロップが終わりました、もう9時近くです。
売店で、頼まれて、買い損ねていたバター缶詰が売っていましたので、購入。その後ゲートに行くと搭乗手続きは始まっていました。
9:55離陸。10時間15分のフライト。このフライトは、時差4時間分があるので、東京着は午後4時50分。体にはいい便です。映画を何本か見るうちに、着きました。昔は、本を2冊くらい読んでしまったり、と、とにかく長く感じました。今は、オンデマンドでいくつも見る番組があるので、楽なものです。
成田に着いてどういうことになっているのかなと心配していましたが、空港はガラガラで、検疫も何もなく通過、ちょっと拍子抜けしました。空港を出て、京成スカイライナー、新幹線と乗り継ぎ、10時前に帰宅しました。
一番期待していた、トンガリロ・アルパイン・クロッシングは歩けましたが、こういうこともあるさ、という、不完全燃焼の旅になりました。