ケプラートラック(Kepler Track)は、ニュージーランド南島のフィヨルドパーク国立公園のテアナウ湖とマナプーリ湖の間にある全長60kmのトレッキングルートで通常3日か4日で歩くコースである。ミルフォードが渓谷のルートであるのに対し、ケプラーは稜線のルートと言ってもよい。このトラックを歩くためには、DOCで予約を取らなければならないのは、ミルフォードトラックと同様である。
(https://booking.doc.govt.nz/Menu.aspx?sg=KEP)
今回、山の会の5名で、これを2泊3日で歩いた。
DAY1 《4月26日》 ケプラートラックカーパークからラックスモアハットまで
前日はテアナウホリデーパークに宿泊。湖の対岸の山がケプラートラックである。朝、ケプラーウォータータクシーに乗ろうとしたが、荒天で運休。9:30トラックネットのシャトルバスで、ケプラートラックカーパークへ。ここから歩き始める。
ドックベイを経て1時間半でブロードベイ。ここまでは湖岸の平坦な道であったが、これからハットまでは800mの登り。途中、大きな岩などがあるが、よく整備された道である。雨の中を進む。3時間で森林限界を越えるとすぐに平坦になる。霧と風の中を30分ほどで、14:50今日の宿泊地ラクスモアアハット(Luxmore Hut)到着。
ここも、宿泊棟とキッチンが分かれている。食堂にはストーブが焚かれ、まわりには濡れたものを干している。この頃には雨も上がり景色が見え始める。
突然ヘリコプターが着陸し、中から花嫁衣装の新婦と新郎、カメラマン登場。結婚の記念に、出会いの地であるここで記念撮影だとか。しばらくして、ヘリに乗り、飛び去った。もちろん宿泊客の盛大なお祝いの下。
夕食は、ソーセージとタマネギのブラウンソース煮込みとご飯、サラダ、ワイン。ここで大阪、姫路からワーキングホリデーで来ている2人の若き娘さんと出会う。最近は、男より女の子の方が積極的に海外に出ているようだ。
19:00からHut Talk。管理人は、中年の女性。
夜中には強い風雨。明日の天気はどうなる?
DAY2 《4月27日》 ラックスモアハットからアイリスバーンハットまで
曇、時に雨。出発前に近くの鍾乳洞caveを見に行く。10分ほどで着くが、明かりを持たずに来たので、入口で撤退。ハットに戻り9:10に出発。今日は、14.6kmの稜線歩き。天気は依然すっきりしない。風もある。10:20にラックスモア山頂への分岐、風と霧のため、ピークはパスして先を急ぐ。
このあたりは、標高は低いが植生限界を超えているため、夏の北アルプスの稜線歩きのような雰囲気の道である。風雨の中を歩き続け、フォレストバーンシェルターに11:20。一休みの後、歩き始める。
12:45にハンギングバレーシェルターに到着。ここで昼食。このころから天気は快方に向かう。13:10にシェルターを出て、30分ほどで尾根から分かれる。この頃には、ラックスモア山頂が見えてきた。虹もくっきりと出ている。
5分下ると森林限界。ここから700mひたすらに下り、15:10に今日の宿アイリスバーンハット(Iris Burn Hut)。昨日のラックスモアハットの半分くらいの大きさか。
近くの川で泳げるようだが、石鹸の使用は不可とのこと。この季節では、泳ぐ気もしないが、夏なら、水着持参でシャワー代わりもいいだろう。
夕食はうどんとサラダ。昨日の2人の娘さんもドイツ人の若者とともに泊まっている。中国の方の「味見」など異文化体験も。また、ガスコンロは、自動着火ではないので、マッチが重宝されている。
Hut Talkは19時から。
DAY3 《4月28日》 アイリスバーンハットからモツラウハットを経てレインボウリーチまで
曇。8:15にアイリスバーンハットを出発。今日はレインボウリーチカーパークまでの22Kmほどの長丁場。シャトルバスの時間16:50までに着かなければならない。道は、緩い下りではあるが。アイリスバーン(小川)に沿って、道は付いている。樹林帯で、時折、鳥たちが現れる。トムティット(Tomtit) ファンティル(Fantail)は、人間を恐れずに、飛び回っている。鳩もいたが、こちらは近づいてこない。花も所々にあり、秋であるので、いろいろなキノコが目に付く。また、シダは至る所に生えている。
2回休憩の後10:55に次のハットまでの中間のロッキーポイントシェルター。そのあと高巻道を通るようになっている。道が崩壊したのだろうか。
12:20からランチ。
13:50にモツラウハット。広々とした、湖に面した小屋。4日でこのルートを歩くときは、ここに泊まり、翌日、出発したケプラーカーパークまで全長60kmを歩くことになるが、我々は1日短いので、6km先のレインボーリーチのシャトルバスまで歩くことになる。湖は夏の間だと、泳いでいるようだ。時間の余裕があるので40分ほど休み、出発。
途中、サイドウォークでカモがたくさんいる大きな池を回り、背の高くなった林を歩き、吊り橋を渡る。 16:20に無事、レインボーリーチカーパークへ到着。30分ほど待って、来たシャトルバスで、テアナウホリデーパークに戻り、宿泊。 かくして、ケプラートラックの旅は終わった。
地図
地図:NZTopo50-CD07 Manapouri 1:50000 ISBN 9414264304070NZTopo50-CD08 Te Anau 1:50000 ISBN 9414264304087 共にDOCで NZ$9.00
http://www.topomap.co.nz/ で Kepler Track を検索