栂海新道を歩く----白馬岳から日本海へ


2009年秋の「シルバーウィーク」に栂海新道を歩いた。
猿倉から白馬大雪渓を登り、白馬岳、三国境から朝日岳そして栂海新道を経て日本海親不知までの約40km、登り標高累計4000m、下り標高累計5700m。3泊4日予備日1日の単独テント泊山行である。

高低表

第1日

長野新幹線始発で行く予定だったが、直前にムーンライト信州の切符がとれ、夜行での出発になった。幸い、キャンセル席だったようで,ボックスを一人で占領し、終着駅白馬までウトウトしながら、朝を迎えた。
バスに乗って猿倉へ。給水、朝食を済ませ出発。さすがに5日分の食料、炊事用具、幕営用具,水、アイゼンまで持つと、25kg位はあるだろうか、ザックがずしりと重い。白馬尻から大雪渓の登り。9月になると雪渓はやせ、登山道を歩くところが増えている。雪渓は急な部分が残り、アイゼンをつけて登高。この道はこんなに苦しかっただろうか、と何度も問い返しながらも,葱平(ねぶかっぴら)へ。小雪渓は土の道を歩き、村営小屋へ。
12:40、ずいぶんつらい登りであった。テントを張り、一休みの昼寝。

夕食の後、日没前に小ピークに登ると,剣岳・立山が雲の中にあり、槍穂高の連峰まで、北アルプスの全部の山が現れている。行動時間6時間。

第2日

第2日目は4時起床。食事の後テントを撤収し白馬岳山頂へ。快晴だが風が強く滞在時間は10分弱。
北上し三国境、雪倉岳を経て朝日岳へ。小屋のテント場についたのは、12:30。一番乗りで、テントを張った。行動時間7時間。

第3日

第3日は,5時に朝日小屋を出て、朝日岳山頂からいよいよ栂海新道に入る。
蓮華温泉への分岐を過ぎると、人は少なくなる。


長栂山照葉ノ池、アヤメ平,黒岩平と湿原を経て、黒岩山、サワガニ山、犬ヶ岳と稜線を進み、12:00に栂海山荘。
進むか、止まるか迷った後、黄連の水場近くに幕営地があるとのことで、そこまでさらに2時間進んで、小さな広場に幕営。行動時間9時間。

第4日

第4日は黄連の水場を5時に出て、一気に海まで歩く日だ。
菊石山、下駒岳を経て白鳥山(1286m)。ここの白鳥小屋は立派な小屋だが、昨夜はずいぶん多くの人が泊まったようだ。ここには「海まで4時間」の道標がある。標高差1200mの下り。
しばらく稜線を行くと、急な金時坂を経て、坂田峠。ここは林道の舗装道路が通っている。


さらに登ったり下ったりを繰り返しながら、高度を落としてゆく。尻高山、二本松峠、入道山を越えて、ついに,国道6号線。
栂海新道入口のゲートに11:00到着。親不知観光ホテルの脇の道を海まで降りる。10分で日本海!海に手を入れて塩水に触れる。行動時間6時間。

この日は、シルバーウィーク最後の夜とて、観光ホテルはもとより、親不知の民宿はどこも満員。結局、青海の宿で一晩明かし、翌日午前の列車で家に戻った。


久しぶりの単独テント山行で、山中での支出は4日間でビール2本1400円と幕営料2泊で1000円の計2400円。混雑知らずのテント泊。
しかしながら、白馬の登りではずっしりと重い荷物にあえいで登った。山の神様が、「そろそろこんな山行は卒業したら・・・・」と語っているのかもしれない。


コース:白馬〜猿倉=村営小屋(泊)=白馬岳=三国境=雪倉岳=朝日岳(泊)=栂海山荘=黄連の水場(泊)=白鳥山=親不知
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